骨密度測定など骨粗鬆症の検査について紹介

骨粗鬆症
骨粗鬆症は健康的に生活するうえでの大きな障害となりえます。定期的に検診を受け、食事や運動に気を配ることで改善できる病気ですので、日ごろの努力を怠らないようにしたいものです。この記事では、骨粗鬆症の検査法と、生活面で気を付けると良い点をご説明します。

骨粗鬆症とは、骨の強度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気のことをいいます。脳卒中や心臓病と違い、すぐに命に関わるわけではありませんが、骨折が原因で寝たきりになり、健康的に暮らすことが難しくなってしまう場合もありますので、侮れない病気です。今回は、そんな骨粗鬆症の検査、生活面で気を付けるべきことについてご紹介します

骨粗鬆症の検査を受ける意味

日本は長寿国ですが、ただ長く生きることができれば幸せかというと、そうではありません。年齢相応の健康を保って生きることは重要です。介護なしで生活したいなら、骨にも気を使う必要があるでしょう。

骨粗鬆症の原因には、加齢、生活習慣(ダイエットや運動不足)、ホルモンバランスの変化などがあります。骨密度の低下は、程度の差はあるものの、加齢により誰にでも起こりうる症状といえます。特に女性は、閉経後に女性ホルモンの分泌が低下し急激に骨密度が減り、同年代の男性に比べて早く骨密度が低くなる傾向にあります。

骨粗鬆症の病気が進行すると、背中や腰の痛み、背骨が曲がる、身長が縮むといった症状が現れはじめます。しかし、初期段階では自覚症状が現れにくいため、知らずに病気が進行し、骨折して初めて骨粗鬆症と診断される場合もあるため注意が必要です。高齢者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上には、定期的に骨密度検査を受けることがポイントになります。

骨粗鬆症の検査はどこで受けられる?

骨粗鬆症の検査は、地域の保健センターや保健所、指定の医療機関で受けることが可能です。国の公的なものとして、40歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳の節目となる年の女性を対象に実施される検診があります。また、自治体でも独自で行われる検診もありますので、普段からホームページや広報誌などで情報をチェックしておきましょう。
また、民間の医療機関でも、骨密度の測定ができる設備の整ったところがあります。

骨粗鬆症の検査方法

骨粗鬆症にはいくつかの検査方法があります。

X線による検査

気付かない間に骨折している、という症状がみられることがあります。これは、骨がもろくなって、転倒などの軽微な外力で骨折してしまう脆弱性骨折です。
「脆弱性骨折かもしれない」と思ったら、まず病院で診察を受けましょう。早めの処置が肝要です。一般的には背骨(椎体)のX線写真を撮り、脆弱性骨折があるか、骨の変形があるか、骨粗鬆化(骨がスカスカになっていること)しているかを診断します。

骨密度測定

骨の強さを見るための指標として、「骨密度」があります。骨密度検査では、骨の中にカルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分がどれくらいあるかを測定します。若い人の骨密度の平均値と比べて、今の自分の骨密度が何%であるかで表されます。骨密度の測定は、骨粗鬆症や骨折のリスクを判定するのに役立ちます。

①DXA (デキサ)法
2種類のX線を使って、全身のほとんどの骨を測ることが可能です。精度が高く、信頼性のある検査です。

②MD (エムディ)法
手の骨をX線で撮影し、画像の濃淡の差で測定する方法です。診療所などで簡単に測定できるので、精度は低いものの、普及率の高い検査方法です。

③QCT法(定量的CT測定法)
X線CT装置を使った測定法で、骨の構造である海綿骨と皮質骨とに分けて測定します。

④QUS法(定量的超音波測定法)
超音波でかかとやすねの骨を測ります。X線を使っていないので、妊娠中の方にも使える方法です。

このほかに、骨代謝マーカーという、血液や尿によって検査する方法もあります。骨代謝マーカー測定は骨代謝状態を知ることができるため、骨折リスクの優れた指標と考えられています。

骨密度が低い場合は運動と食事を気にしましょう

骨密度が低いと診断された場合、食事療法、運動療法、投薬によって改善を図ります。
食事療法は、まずカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど骨の形成に役立つ栄養素を多く取り入れることから始まります。
カルシウムは、成人男性は1日650グラムから800グラム、成人女性で1日650グラムを目安に取り入れることが望ましいとされていますが、骨を丈夫にしたいなら、1日に750グラムから900グラムは取り入れたいところです。
参照:https://itamiru.jp/itsunomanika/diagnose/
カルシウムを多く含む牛乳や乳製品、小魚、大豆や大豆製品、緑黄色野菜を積極的に食べましょう。
ビタミンDはカルシウムと同時に摂取することで、カルシウム吸収率をアップさせます。ビタミンDを多く含むものは、サケやウナギ、サンマなど魚類、シイタケやキクラゲなどキノコ類、卵などです。また、ビタミンDは、太陽光を浴びることで体内でも作られるので、適度な日光浴は健康な骨の維持におすすめです。
ビタミンKを多く含む納豆、ほうれん草やブロッコリーなどの緑色野菜、また、タンパク質も骨の形成を助ける働きがあるので、積極的に摂取したほうが良いでしょう。
さらに、インスタント食品やアルコール、カフェインの過度の摂取、また喫煙も控えたほうが良いとされています。

食事療法の基本は、栄養バランスの良い食事を規則的に取ることです。運動については、痛みのある方は無理のない範囲で行いましょう。
運動の程よい刺激は、骨の形成の助けになりますし、バランス運動やストレッチは転倒防止にも役立ちます。
また、ウォーキングも骨折予防に有効といわれています。いずれもご自分の体調に合わせ、無理のないペースで行いましょう。

食事に取り入れたい食材「酢卵」について

ビタミンを多く含み、栄養満点の酢卵は、さまざまな方におすすめしたい健康食品です。2019年1月のTV番組で「骨が丈夫になるという酢卵」が紹介されました。酢卵はお酢の中に卵を殻のまま丸ごと溶かして作ったものです。お酢は血糖値の急上昇や血圧をコントロールし、疲労回復や代謝をアップさせる効果があるといわれます。卵のタンパク質と酢に溶け込んだカルシウムとの食べ合わせは、生活習慣病や骨粗鬆症の予防にも期待が持てます。

まとめ
この記事では、骨粗鬆症の検査方法と治療法について見てきました。体に良い食事をし、適度に体を動かすことは、骨粗鬆症に限らず、さまざまな病気に対処する有効な手段といえるでしょう。卵酢なども取り入れ、健康的な毎日をお過ごしください。