病院などで血糖値を調べる際は主に7つの検査項目に注目します。7つの検査項目とは、空腹時血糖値、随時血糖値、75gOGTT、尿検査、HbA1c、GA、1.5AGで、いずれも糖尿病を判断する上で重要な値です。ここでは7つの検査項目の基準値(正常型)と、糖尿病と判断される閾値(糖尿病型)をまとめました。病院での検査後など自分で確認する際の参考にしてください。また、ここでは正常型と糖尿病型のみを紹介していますが、その間の数値を示した場合は境界型に分類され、糖尿病ではないものの日々の生活を見直す必要があります。
病院や薬局で診断される血糖値に関する7つの検査項目
(1)空腹時血糖値検査
朝食前などの空腹時に血液検査をします。
<正常型>
血糖値:100mg/dL〜110mg/dL未満
<糖尿病型>
血糖値:126mg/dL以上
(2)随時血糖値検査
食事をとったかどうかに関わらず、時間を決めずに採血し、血液検査をします。
<正常型>
血糖値:180mg/dL
<糖尿病型>
血糖値:200mg/dL以上
(3)75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)
10時間以上絶食してから採血をし、血液検査をします。その後、75gのブドウ糖を溶かしたブドウ糖溶液を飲み、30分、60分、120分と時間経過ごとに採血をする検査です。
<正常型>
検査前血糖値:110mg/dL未満
120分後血糖値:140mg/dL未満
<糖尿病型>
検査前血糖値:126mg/dL以上
120分後血糖値:200mg/dL以上
(4)尿糖値
通常尿が作られる過程の中で、糖は再吸収されます。しかし、吸収しきれない量の糖分が血液中にあると、尿の中にも糖分が出てきます。尿検査では尿中に糖分がないかどうかを調べます。尿の採取方法が普通の尿検査と変わりませんが、検査2、30分前に一度排尿して、その後もう一度溜まった尿で検査します。
<正常型>
陰性(尿糖なし)
<糖尿病型>
陽性(尿糖あり)
(5)HbA1c
この検査では、全体の何パーセントのヘモグロビンが、ブドウ糖と結びついたHbA1cになっているのかを調べます。このHbA1cは検査直前にとった食事に左右されず、さらに過去1~2カ月を平均した血糖値を調べることができる検査方法です。これも採血による検査で調べることが可能です。HbA1cだけが糖尿病型であった場合は、糖尿病の疑いがあるだけで糖尿病と判断されません。
<正常型>
5.5%未満
<糖尿病型>
6.5%以上
(6)GA(グリコアルブミン)
グリコアルブミンとは、アルブミンというタンパク質と糖が結びついてできるタンパク質です。これもHbA1cと同様、全体のアルブミンの内、何パーセントがグリコアルブミンであるかを調べます。この検査も採血をして行います。
<正常型>
12.3~16.5%未満
<糖尿病型>
16.5%以上
(7)1.5AG(アンヒドログルシトール)
1.5AGとはブドウ糖の次に体内に多く存在する糖のことです。この1.5AGは血糖値が高いと尿糖とともに排出されます。そのため血糖値が高い人ほど体内にこの物質は残っていません。よって血液検査ではこの1.5AGの数値が少ないと、血糖値が高いと判断されます。
<正常型>
男性:15~45μg/mL
女性:12~29μg/mL
<糖尿病型>
男性:15μg/mL以下
女性:12μg/mL以下
血糖自己測定器を使った自己検査での基準値
自分で行う血糖値の検査では、好きな時間に血糖値を確認することができます。そこで、食事の前後で血糖値を測定する場合の基準値を紹介します。
空腹時(食事前)
とてもよい:110mg/dL未満
よい:110~129mg/dL
悪い:130~159mg/dL
とても悪い:160以上
食後2時間
とてもよい:140mg/dL未満
よい:140~179mg/dL
悪い:180~219mg/dL
とても悪い:220以上
(一般社団法人 日本臨床内科医会より http://www.japha.jp/doc/byoki/015.pdf)
食事の前後などを特に意識せずに血糖値を測ったときは、先に述べた「随時血糖値検査」の値を参考にしてください。ただし、家庭でできるレベルの検査では正規の検査よりも誤差が大きくなるため、正常な状態かどうかはわかりません。正確な状態を知りたい場合は医療機関で適切な検査を受けるようにしましょう。
目標を立てて血糖値を下げよう
血糖値の検査の正常型・糖尿病型の数値を紹介しました。この正常型と呼ばれる基準値を把握しておくことで、自分がどういった状態なのかを確認するのにとても役立つでしょう。また、ただ数値の減少を目指すだけでなく、自分が目指すべき数値として活用することもできます。日々血糖値の記録をしている方は、ノートの最初のページなどに目標にする基準値を書いてみてはいかがでしょうか。また、日々の生活の中で血糖値検査をすることも重要ですが、家庭で使用できる検査機器には限界があるので、糖尿病型の血糖値を示している方には定期的な受診をお勧めします。