糖尿病と普段口にする食べ物にはどんな関係がある?
糖尿病は生活習慣病とも呼ばれ、普段の生活が病気の発症に影響することが分かっています。糖尿病を発症しやすい生活習慣として運動不足や喫煙などが挙げられますが、とりわけ食事は糖尿病との関係性が大きく、一般的に不規則な食生活や栄養が偏った食事、暴飲暴食、糖分の多い飲み物の継続的な摂取などの生活習慣は糖尿病の発症に大きく影響します。そこで、ここでは食事の中でも糖尿病と関係する食べ物について紹介します。
糖尿病のリスクを高める食べ物
糖尿病を発症されるリスクを高めてしまう食べ物にはどのようなものがあるでしょうか。実は私達の身近なところにも、そういった食べ物がたくさん存在しています。そのひとつが「超加工食品」と呼ばれる食べ物です。「超加工食品」とは、塩分や糖分、脂肪を多量に含む加工食品のことで、日持ちをよくしたり常温保存を可能にしたりするための保存料などが添加されたもののことを指します。一例を挙げると、カップ麺、スナック菓子、菓子パン、ピザ・ホットドッグ、ドーナツ、高カロリーな清涼飲料水などです。
こういった超加工食品はたいていの場合、栄養素のバランスがとれていないにも関わらず、高カロリー、高糖分(塩分)、高脂肪という共通点があります。高カロリー、高糖分、高脂肪の食べ物は血糖値を上昇させる効果が高いので、日常的に摂取していると、やがて糖尿病や他の生活習慣病の発症リスクが高くなってしまいます。
しかし、こういった超加工食品を好むという方も多いのではないでしょうか。もともと人間の脳は糖質と脂質が組み合わさった食べ物を求めるようにできています。米国のイェール大学の研究によると、糖質だけの食費や脂質を含む食品よりも、糖質と脂質の両方が含まれている食品が最も人気が高くなったそうです。
他にも日本人が主食としているお米は、食べ過ぎると糖尿病になりやすいということが、国立研究開発法人国立がん研究センターが行った研究で明らかになっています。もちろん、お米を食べるとすぐに糖尿病になるという訳ではありませんが、運動不足の状態でお米を食べ過ぎると糖尿病のリスクが上昇するとのことですので、注意をしたいところです。
こうした研究結果は、私達が普段の生活習慣を見直すための参考になります。基本的に私達は糖尿病になりやすい食べ物を好むような脳の構造になっているため、気をつけておかないといつのまにかそれらの食品を食べることが習慣化されてしまうのです。仕事で忙しいからといって超加工食品を日常的に食べるのは控えたほうが無難でしょう。
糖尿病予防ができる食べ物と飲み物
一方で、糖尿病を予防するための食習慣や食べ物にはどのようなものがあるでしょうか。その前に血糖値の基礎について触れておきます。血糖値が一番上昇するのは食後です。血糖値の上昇を抑えるためには、食間をきちんと空ける、適量を食べる、ゆっくりと食べるなどの習慣を心がけることが大切です。そして、こうした基本的な食習慣を守りつつ、血糖値を下げる効果が期待される食べ物を摂取するようにしましょう。ここでは血糖値を下げる効果が期待される食べ物と飲み物を紹介します。
例えばオクラのネバネバした物質は食物繊維の一種で、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。アロエにはアルポランという物質が含まれていて、インスリンの分泌を促して血糖値を下げる効果が確認されています。バナナは血糖値を下げるカリウムが豊富に含まれているので、デザートとして食べるとよいでしょう。他にも、食物繊維やビタミンB2を含む納豆などがあります。
これらの食品は食物繊維、カリウムなど血糖値を下げる効果がある栄養素が含まれています。同様の栄養素が含まれている食品でも代用できます。
こうした食事を継続することが好ましいものの、仕事の都合などでどうしても血糖値の上がりやすい食事を改善できない場合もあるかもしれません。そうした場合は飲み物を変えることをおすすめします。
血糖値を下げる効果が期待される飲み物には、糖の代謝を助けて血糖値の上昇を抑制してくれる効果があるクロロゲン酢酸を含むコーヒー、動脈硬化の予防や血糖値を下るのに効果があるオリザノールを含む玄米茶などがあります。
このように血糖値を下げる働きがある食べ物や飲み物は身の回りにたくさんあります。しかし、糖尿病の原因となる肥満の元凶であるコレステロール対策も同時にできる食べ物や飲み物はそこまで多くはありません。
食べ物では先ほど挙げた納豆や青魚が代表的です。一方で、飲み物の代表は「酢」です。酢には内臓脂肪を減少させたり、血中の中性脂肪の値を改善したりする上に、血糖値まで改善できると期待されている食品です。特に糖尿病対策として人気があるのがリンゴ酢、黒酢、卵酢などを利用した酢飲料です。日々の生活の中で、食べ物を変えるのが難しい場合は糖尿病対策として酢飲料を活用してみてはいかがでしょうか。