糖尿病は病院の何科にかかる?専門医はいる?

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糖尿病は病院の何科にかかる?専門医はいる?

糖尿病の初期段階は、自覚症状があまりなく、自分が病気だという認識がない場合も多くあります。多くの人は勤務先の健康診断や、持病などで通院している医療機関の血液検査などで知らされるでしょう。また、病状が進んできて、何らかの症状が出始めて検査に行き、分かることもあります。
糖尿病と分かったときには、早急に治療を受ける必要がありますが、どの病院の何科に行けばよいのでしょうか。
この記事では、糖尿病といわれたときにどうすればよいか、また糖尿病を専門に診療してくれる医師についてご紹介します。

糖尿病といわれたらどうするか

自分が糖尿病だと自覚するには、大きく分けて3つのきっかけがあります。健康診断、自覚症状、かかりつけ病院での検査です。それぞれの場合に、どうすればよいのかを見ていきましょう。

健康診断の場合

企業や自治体の健康診断で糖尿病の疑いがあるといわれた場合、それは確定診断ではありません。つまり、あくまで疑いであり、改めて正式な検査をする必要があります。

二次検査は指定される医療機関に行く場合もありますし、自分で病院を探して受診する場合もあるでしょう。指定されていない場合には、まず自宅や職場の近くで内科を探しましょう。現在では「内分泌科」「糖尿病科」などと標榜しているクリニックも多くありますので、できればそのような医療機関に行ってください。
糖尿病には血糖値のほかに多くの判断基準がありますので、上記のような科を掲げているところは、糖尿病に詳しい医師が診断してくれます。また、実際に糖尿病だったとしたら、継続して通院できます。

自覚症状がある場合

糖尿病の自覚症状は、のどが渇く、疲労感、頻尿などです。しかし、これらの症状だけで糖尿病だと思う人は少ないでしょう。実際、ほかの病気でもこのような症状は出ます。
もし糖尿病と思われる自覚症状があったら、近くの内科で診察を受けてください。もちろん、上記の例のように「内分泌科」「糖尿病科」がある医療機関でもよいですが、通常の内科でも問題ありません。
また、症状が激しい場合は大きな病院の「総合診療科」を受診してみるのもよいでしょう。自覚症状だけではどのような病気か分かりませんので、あらゆる可能性を考えましょう。

かかりつけの病院で分かった場合

持病などがあり、かかりつけの病院に通院しているのなら、定期的な血液検査で糖尿病だと診断されることもあります。その場合は、かかりつけ医の指示に従いましょう。内科であればそのまま治療に入る場合もありますし、専門外であれば地域の医療機関を紹介してくれます。

糖尿病専門医

前項でも少し紹介しましたが、「糖尿病科」「内分泌科」の診療科目がある医療機関は、糖尿病に詳しい医師がいます。「内分泌科」というのは、聞きなれないかもしれませんが、この科は人間の代謝やホルモンの異常を治療するところです。糖尿病は、インスリンというホルモンの異常によって引き起こされる病気なので、「内分泌科」も専門の分野となるのです。
これらの医療機関には、日本糖尿病学会などに所属して豊富な知識を持つ医師が在籍しています。専門性の高い医療機関かどうかは、こうした医師が在籍しているかどうかを指標にしてもよいでしょう。

日本では専門医制度というものがあり、各学会が規定を設けて試験などに合格した医師を「専門医」と呼びます。糖尿病治療の場合は、日本糖尿病学会が認定した医師が糖尿病専門医となります。平成25年8月時点で4,760人います。
糖尿病専門医になるには、まず内科や小児科で研修を受けて、認定医や専門医になった後、さらに糖尿病に関する研修を3年以上受ける必要があります。その後、専門医試験を経て、糖尿病専門医の資格が取得できます。資格取得後も、5年ごとに一定の審査を経て更新する必要があります。

このように、糖尿病専門医は糖尿病の治療を受けるにあたっては、非常に有効な指標となります。
専門医が在籍する医療機関は、日本糖尿病学会のホームページから検索できます。
日本糖尿病学会 専門医の検索:http://www.jds.or.jp/modules/senmoni/

専門医を受診していても、通院の継続と自己管理が重要

糖尿病専門医を受診していても、糖尿病は完全に治療できる病気ではありません。薬物療法や運動療法、食事療法を継続して行い、改善を図っていくしかないのです。そのような意味でいえば、一生付き合っていく病気なのです。
患者さんの中には、血糖値などの検査数値が改善してくると通院をやめてしまう方もいます。そのようなことは、絶対にしないでください。途中で治療をやめてしまえば、5年後、10年後に命にかかわる心筋梗塞や脳卒中などの合併症を起こす恐れがあります。いくら専門医でも通院しない患者さんを治療することはできません。
医師の指導に従い、服薬や運動、食事を適切にして、自己管理をすることが糖尿病とうまく付き合っていく重要な鍵となります。