糖尿病の患者数はどのくらい?日本と世界の事情を紹介

糖尿病
糖尿病の患者数はどのくらい?日本と世界の事情を紹介

糖尿病は、長い期間続いた不健康な生活が原因で血糖値が上がったままになり、さまざまな合併症が起こる可能性が高くなる病気です。
食事をすると食べ物が消化されてブドウ糖になり、血液中のブドウ糖が増加します。血液中のブドウ糖を「血糖」といい、血糖値が上がるとすい臓でインスリンが作られ、インスリンの働きで血糖が筋肉や肝臓などに取り込まれます。
遺伝もありますが、高カロリーの食事、 運動不足、過度のストレスが溜まるような生活を続けていると、血糖値を下げるインスリンの働きが悪くなります。
カロリーの高い食事をとると血糖値が大きく上がります。そして上がった血糖値を下げるためにすい臓はインスリンを作り続け、疲労状態になり徐々にインスリンが作成できなくなっていきます。血糖値は運動をしてブドウ糖を消費すれば下げられますが、運動不足の状態では血糖値が高いままになりやすく、糖尿病になる危険性が高まります。
糖尿病になると、細い血管や神経がダメージを受けて視力の低下や手足のしびれ、腎症などの症状が出る「細小血管症」という合併症にかかるといわれています。また、動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などの重篤な疾患にかかる可能性も高くなるのです。

日本人は体質的に糖尿病にかかりやすい?

2016年に厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」によると、日本で糖尿病にかかっている人の数は、約1,000万人といわれています。糖尿病のなかでも、生活習慣が原因でかかる糖尿病が2型糖尿病で、この2型糖尿病が全体の大部分を占めています。
実は日本人を含むアジアの人々は、欧米人に比べてインスリンを作り出す能力が低いといわれています。欧米人は過食により肥満になっていても、インスリンを作る能力が高いため糖尿病にはなりにくいのですが、日本人は軽度の肥満でもインスリンの分泌が足りなくなり、体質的にも糖尿病になりやすいとされています。
近年、日本人の食生活の欧米化が進み、日常的にカロリーの高い食事をとるようになりました。さらに生活が便利になったため運動不足となることも多く、糖尿病患者の数が増加したといわれています。
前述の調査によると、糖尿病の治療を受けている人の割合は76.6%で、 残りの23.4%の糖尿病患者は適切な治療を受けていないことがわかっています。

世界の糖尿病患者数

国際糖尿病連合(IDF)によると、2017年現在で世界の糖尿病患者の数は4億2,500万人といわれています。全体の人口と比べても、じつに11人に1人が糖尿病にかかっていると推定され、糖尿病が世界的にみても非常に一般的な病気といえるでしょう。そして日本の糖尿病人口が増加しているように、世界の糖尿病患者数も年々増え続けています。
2017年の国際糖尿病連合の調べでは、糖尿病にかかっている人の数が一番多い国は中国で、1億1,400万人いるといわれています。2位はインドで7,300万人、3位はアメリカで3,000万人、4位以下は患者数が大きく減り、ブラジルの1,300万人、メキシコの1,200万人と続いています。日本は上位10カ国からは外れていますが、65歳以上の糖尿病患者数では10位以内にランキングされています。

世界では、糖尿病の可能性が高いけれど、糖尿病の検査や治療を受けていない人が2億1,200万人いるといわれています。糖尿病患者数の約半数が、糖尿病になっていることに気付かず、適切な治療も受けていないために、病気が進行してしまっていることが問題になっています。
糖尿病の治療をせずに進行した場合には、合併症により失明、腎不全、足潰瘍にかかる可能性が高まります。命にかかわる脳梗塞や心筋梗塞などの病気にもかかりやすくなります。

糖尿病患者の多いエリアは?

世界の糖尿病人口のうち、日本を含む、中国、東南アジア、オーストラリアなどが位置する西太平洋エリアの患者は、1億5,900万人とされています。西太平洋エリアは、南東アジアエリアの8,200万人、ヨーロッパエリアの5,800万人を上回り、世界で最も多くの人が糖尿病にかかっているエリアといえます。
糖尿病やその合併症が原因で死亡している人の数は年間400万人いるとされ、多くの国で糖尿病が死亡原因の上位に入っているという調査結果もあります。糖尿病にかかっている人のうち、3分の2は都市部で生活をしていることもわかっています。

糖尿病は過剰に栄養を摂取することが原因にもなるので、経済的に豊かな人がかかる病気というイメージがありますが、実際には糖尿病患者の4分の3は所得が低い層にみられています。 ファーストフードやスナックなど、低価格で高カロリー、高脂質の食品をとる機会が多いため、低・中所得層が糖尿病になる確率が高いといわれています。

日本人にはとくに食生活の改善が大切

インスリンを作る能力が低い日本人が糖尿病を予防する、または改善するためには、血糖値を上げないように、特に食事に気をつける必要があります。食事のあとに急激に血糖値が上がらないよう気をつけることで、インスリンを分泌するすい臓への負担が軽くなります。
1日に摂取できるエネルギーを把握し、栄養バランスのとれた食生活を心がけることが大切です。