糖尿病の治療や予防には、血糖のコントロールが基本となります。糖尿病が疑われる場合や糖尿病の診断を受けている場合、血糖の状態を自分で把握しておくことは病気の改善や予防においてとても大切なことです。そこで、簡易血糖測定器を用いて自分で血糖値を測定する血糖値測定について、そのメリットや実際の測定方法をご紹介します。
血糖値測定のメリット
1日の血糖値の動きを詳細に記録しておくことで、自分の生活習慣と血糖値の相関関係がわかります。また血糖の状態によって、食事量や食事内容を見直しやすくなります。自分の血糖値の状態を知ることで病気に関する理解が深まります。自分の健康状態を把握し自らコントロールすることで、治療や予防に積極的になれるでしょう。また、女性にとっては、安心・安全な妊娠・出産につながるなどのメリットもあります。
血糖値測定をするタイミング
血糖値測定を自分で行う目的は、1日の血糖値の動きを知ることと、食事、運動、ストレスなどの要因で血糖値がどのように影響されるかを知ることです。このため、食事を中心として、一日に数回程度、測定するタイミングを設定するのが一般的です。
測定した値は、測定したタイミングとともに、薬の有無、運動をしたかどうか、ストレスはあったか、症状の有無や内容といったエピソードとともに記録しておきましょう。これを2~4週間ほどで一単位として、得られた結果から薬の処方や緊急時の対応などに活かしていきます。測定の方法は人それぞれなので、主治医と相談しながら自分にあった方法を見つけていくのが大切です。
血糖値測定器の使い方
一般的に使用されている血糖値測定器では、指など身体の一部から直接ごく少量の血液を採取し、検査します。その検査方法について説明します。
血糖値測定の前に行うこと
血糖値測定器を使う前に、まず手をきれいに洗い、清潔な状態にしておいてください。洗った後は必ず乾かし、濡れた状態になっていないように気をつけましょう。
自己測定の手順
血糖値測定器の基本的な使用方法です。同梱物は各メーカーによりさまざまですが、基本的には 血糖測定器、センサー、穿刺具、穿刺針、消毒綿、記録ノート、針捨てボックスが揃っています。手順も各機器によって若干の違いがありますが、ここではごく一般的な血糖値測定器の測定手順をご説明いたします。※必ず事前に使用説明書をお読みください。
1.個包装されているセンサーを取り出し、測定器にセットしておきます。
2.穿刺部分(指先など)をアルコール綿で消毒しよく乾かします。
3.穿刺具に針をセットして穿刺部分を刺し、少量の血液を出します。
4. 必要な量の血液をセンサーで吸い取ってください。
5.数秒で結果が表示されます。表示された結果は、測定ノートなどに記録して管理しましょう。
6.最後に針を捨てる容器に針を入れます。使用後の針は、病院や薬局で引き取ってくれることが多いのですが、各自治体によっても処分方法が異なります。医師に相談するか各自治体に確認しましょう。
血糖値測定器の選び方
血糖値測定器には大きさや機能など、さまざまな種類がありますが、自分が使用しやすい機器を選択するために、血糖値測定器の選び方のポイントをまとめました。
痛みの少ないものを選ぶ
自己測定は継続して使用するため、採血時に強い痛みがあると、大きなストレスとなります。そこで重視したいのが、痛みの少ないタイプの測定器です。痛みを感じやすい指先ではなく、痛みが少ない部位である手のひらなど、他の部位で測定ができたり、針の形に工夫がされていたりするタイプもあります。また、近年では針を使用しないタイプの血糖値測定器も販売されています。
機能で選ぶ
血糖値測定器には余計な機能がついていないシンプルなものから、音声案内機能がついた高性能なものまで揃っています。液晶が見やすい、測定の表示がわかりやすい、測定データの管理機能が充実しているなど、使い勝手の良さで選ぶと毎日の測定における負担が軽くなります。
測定時間の長さに注目
1回の測定にかかる時間は、どの製品でも5秒~10秒程度です。1日1回程度の測定では気にならないかもしれませんが、1日に数回の測定が必要な方は、長ければ長いほど煩わしく感じてしまうかもしれません。そんな方は、測定時間がなるべく短いものを選ぶようにすると、測定時のストレスを軽減することができます。
自分に合った測定器を選ぶことが大切
血糖値測定器は、1度限りではなく継続して使用する場合が圧倒的に多いものです。そのため、自分に合わない製品を選んでしまうと測定が負担になってしまいます。機能や製品の特長などをよくリサーチし、なるべく負担なく続けられるようにすることが長く定期的に続けられるポイントです。